営業に活用できるヒントを掲載しております

商談の準備

準備って何をしたらいいの?

初回訪問の準備に必要なのは、

①お客様に関する情報の収集と仮説構築
②商談の目的の設定
③雑談のネタの準備
④会社案内や商品パンフレット
⑤今日は提案はしない、という気持ち

です。この中でも今回は②のポイントについてお伝えします。

■目的設定の必要性
目的は必ず毎回設定します。設定しないと、最初のアイスブレイク(雑談)から なし崩し的に本題に入ってしまい、商談が雑談の延長になってしまいがちですし、 主導権を握りにくくもなります。
そうならないためにも、目的は必ず設定し、アイスブレイクから本題に切り替える際に、目的を提示する必要があります。

■目的の内容
決して、自社・自分本位の目的にはならないようにします。
悪い例は、

「今日は弊社の新商品のご提案に参りました」

という例です。
お客様からすると、こんなに一方的で迷惑な話はありません。
本題に入るまでに辟易してしまい、大事な情報を話す気持ちには到底ならないのです。

良い例は、

「最近始められた新しい事業の●●の部分において、何かお手伝いできることがあるような気がしましたので、今日はまずお客様の現状を聞かせていただきたく参りました」

など、あくまでもお客様目線で、なるべくセールス臭のしない表現を使う、ということが大事です。

営業とは

営業、向いてない・・・

どんな職種にも向き・不向きはあります。ただし、特に営業は、「ザ・営業」というタイプでないと不向きなのでは?と思われがちです。

「ザ・営業」に求められているのは、はきはきしている、体育会系である、話がうまい、などではないかと思います。

もちろん、これらの要素がないよりはあったほうがいいですが、なかったとしても特に問題はありません。

近年の営業に求められるのは、お客様の現状や課題にじっくり耳を傾けられる人、なのです。大人しい雰囲気でも、話が不器用でも、あいづちやうなずきなどの共感ができる、あるいは、的確な質問でお客様の現状や課題を引き出せる、そういう人であれば売り上げを上げることは難しくはありません。

営業とは

我流営業ってだめなの?

だめではありません。そのスタイルだからこそ、任せてくれているお客さんもいるはずなのです。

ただし、我流営業は往々にして暗黙知から成り立っています。
暗黙知の難点は、暗黙知ゆえにコントロールが効かないことです。

意図的に戦略的に自分の強みを発揮し続けることが難しいのです。
また、スランプに陥ったときに立ち直るのも時間がかかることがあります。

一方で、ある程度の典型を持っておくと、緊張しても調子が悪くても、安定して一定レベルのスキルを発揮することが可能となります。
スランプに陥っても、立ち戻る基準があるので必要以上に落ち込まずに、冷静に受け止めつことができ、復活が早くなります。

このように、我流営業にプラスαとして、営業の型を持っておくことは武器となります。

営業とは

売りたいって思っちゃだめ?

そうなる心理は分かります。売らなければ会社の利益もあがらないし、自分の評価もあがらないし、ひいてはお給料もあがりません。

ただ、考えてみてください。売りたい気持ちは、売れることにつながるでしょうか。
どんなに売りたいと思っても、買うのを決めるのはお客様です。お客様が買いたい気持ちにならないとこっちがどんなに売りたいと思っていても売れませんよね。

そして、売りたい気持ちは商談において焦りに変わり、それが一方的な商品説明になったり、お客様のことを知る前に提案してしまうことになったりします。
それがセールス臭となり、お客様はかえって遠のいてしまうのです。

私自身は、商談が始まったら、「売れたらいいな」という気持ちは一切もたないようにしています。一切、です。
代わりに、「今日のお客さんはどんなお客さんかな。現状はどんな状態なのかな」と思うようにしています。

みなさんもぜひ、商談が始まったら売りたい気持ちを「無」にしてみてください。

アプローチ

自社紹介って意外と難しい

自分の会社のことくらい、その場で適当に言えるだろう、という心理になるのはよくわかります。でもそうはいかないですよね。
いざ自社紹介の場面になると、しどろもどろになって、

①会社パンフレットの棒読みになったり、
②会社の強みがうまく伝わらなかったり、
③伝えるべき会社の情報の優先順位がぐちゃぐちゃになったり、

することが多いのではないでしょうか。

まずは、自分だけの自社紹介シナリオを作りましょう。
できれば①2分パターン②5分パターンと作ってみてください。

そのシナリオには、自分しか言えない会社のいいところ、事業のいいところなどを盛り込むと、インパクトが強くなります。

最後は、ひたすら練習です。言い慣れることです。一言一句、どんな大企業が相手でも、どんなお偉いさんが相手でもよどみなく言えるくらいまでに一人でもいいし、できれば同僚相手に、最初は詰めてロールプレイングした方がいいと思います。

アプローチ

商談の最初の雑談、苦手

雑談をする場合には、

①どんな相手にも差しさわりのない話題を3つ、
②そのお客さん固有の話題を3つ

を事前に準備するようにします。

できれば、受付で待っている間にその話題6つを暗記して、緊張していても咄嗟に出てくるようにしておきます。

商談に入ったら、まずは差しさわりのない話題から提示し、興味がありそうであれば3つ全部出す必要はありません。
興味がなさそうであれば次の話題に移ります。

このように相手の反応をみながら話題を提示し、3分くらい雑談ができたら本題に入るようにします。

アプローチ

商談の最初の雑談、必要?

商談の最初の雑談(アイスブレイク)は、その場の流れで会話をするのが苦手な人にとっては苦痛でしかないと思います。

そもそも、雑談は必須ではありません。仕事志向のタイプに人には雑談は不要です。一方、人間関係や話しやすい雰囲気があった方が、商談がスムーズにいくタイプのお客さんがいるのも事実です。

必要なのは、相手のタイプに合わせて雑談をするかしないか、どのような話題にするかを決めることです。決して、自分が雑談苦手だからしない、というように、自分のタイプでするしないを決めないようにしましょう。